スクールコンプライアンス

公立学校でのコンプライアンス

広い意味での「コンプライアンス」は、法令、組織内規等に加えて、社会的規範や倫理(モラル、エシックス)を守ることも含むものです。このような意味のコンプライアンスについて、公立学校におけるコンプライアンスの根拠を考えてみます。

地方公務員法

まず、一番基礎になるものは、公務員の法令遵守義務です。これは、地方公務員法32条に規定されています。この第32条(法令等及び上司の職務上の命令に従う義務)は、「職員は、その職務を遂行するに当つて、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。」としています。

次に、広い意味でのコンプライアンスには、倫理を遵守することも含まれもので、この点は、地方公務員法33条に規定されています。この第33条(信用失墜行為の禁止)は「職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。」としています。

国家公務員倫理法

また、国家公務員倫理法が、2000年4月1日より施行されていて、この法律の目的は、国家公務員の職務に係る倫理の確保であり、これを受けて、国家公務員倫理規程において、(1)職員は常に公正な職務の執行に当たること、(2)公私の別を明らかにし、職務や地位を私的利益のために用いないこと、(3)贈与を受けるなど国民の疑惑や不信を招く行為をしないこと、(4)公共の利益の増進を目指し、全力をあげてこれに、取り組むことなどが定められています。

この倫理規程の規準は地方公務員にも及ぼされています。国家公務員倫理法の第43条では、次のように定められています。この第43条(地方公共団体等の講ずる施策)は、「地方公共団体及び地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第2項に規定する特定地方独立行政法人は、この法律の規定に基づく国及び行政執行法人の施策に準じて、地方公務員の職務に係る倫理の保持のために必要な施策を講ずるよう努めなければならない。」としています。

これを受けて、地方公共団体でも、国家公務員倫理法に準じて、条例や規則などで地方公務員の倫理に関する規定が制定されています。

以上のような法律・規程が地方公務員のコンプライアンスに基礎的な根拠となっています。

注:教育法規
大まかに、教育法規には、①教育の原則を定めた法規、②学校教育に関する法規、③教員に関する法規、④教育行政に関する法規があります。①には、我が国日本の教育の原則や理念、目的を定めた日本国憲法と教育基本法(準憲法的な位置づけがなされる法律)があります。②には、学校教育の基本構造を規定する法律である学校教育法、学校保健及び学校安全に係る国等の責務を定める学校保健安全法、図書館法などがあります。③には、一般の地方公務員全般について定めた地方公務員法、そのうちの特に教職員に関して定めた教育公務員特例法、教育職員免許法などがあります。④には、教育委員会の組織や地域の教育経営などについて定めた地方教育行政の組織及び運営に関する法律(「地教行法」)があります。

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