学則・校則の法的問題

なぜ、学校は校則を定めることができるのか

学校・学校設置者が定める規則(内部規定)で、生徒指導内規、教務内規などを含めて、各校の学校経営の基本的な事項等が記載されるもの(狭義の校則)があります。そして、狭義の校則の中で、生徒指導や生活指導に関して必要な内容が内部規定として定められていて、生徒手帳等に記載されている生徒心得・生徒規則と呼ばれるもの(最狭義の校則)があります。

このような校則について、学校が校則を制定することができる法的根拠は、法律上、必ずしも明らかではありません。法的根拠については、研究者のなかでさまざまな議論がなされています。

まず、最高裁判所は、学校が校則(狭義の校則)を制定できる法的根拠につき明らかにしていませんが、学校が校則を制定できる権限があることは認めています。大学に関する事件(昭和女子大事件・国立富山大学事件)ですが、「大学は、国公立であると私立であるとを問わず、学生の教育と学術の研究を目的とする公共的な施設であり、法律に格別の規定がない場合でも、その設置目的を達成するために必要な事項を学則等により一方的に制定し、これによつて在学する学生を規律する包括的権能を有するものと解すべきである」(昭和女子大事件:最高裁判所昭和49年7月19日第三小法廷判決)とされ、また、「大学は、国公立であると私立であるとを問わず、学生の教育と学術の研究とを目的とする教育研究施設であって、その設置目的を達成するために必要な諸事項については、法令に格別の規定がない場合でも、学則等によりこれを規定し、実施することのできる自律的、包括的な権能を有」する、とされています(国立富山大学事件:最高裁判所昭和52年3月15日第三小法廷判決)(ここの「学則等」には、狭義の校則・最狭義の校則が含まれます)。ここでは、「学則等」を制定する「包括的な権能」が導かれる根拠としては、「公共的な施設」および「教育研究施設」であること、ならびに「設置目的」があげられていて、この理論は、大学以外の学校にも適用されています。

また、次に、最狭義の校則について、学校に制定権が認められる理由を考えます。まず、学校教育法11条は「校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、監督庁の定めるとろにより、学生、生徒及び児童に懲戒を加えることができる。」とされ、また、学校教育基本法施行規則26条では懲戒に該当する場合が規定されています。したがって、学校においては、懲戒権の行使のための基準が必要となり、懲戒の基準として機能するものとして校則が必要となります。そこで、法令上、学校教育法の解釈の問題として、懲戒権の存在(学校教育法11条)を根拠に、学校は校則(最狭義の校則)を制定できると考えられます。

参考文献

船越耿一「校則制定の根拠とその範囲」長崎大学教育学部社会科学論叢45号(1993年2月)46~47頁、51頁、82-87頁

大島佳代子「わが国における校則訴訟と子どもの人権」帝塚山法学4巻(2000年3月)82~86頁

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