スクールコンプライアンス

スクールコンプライアンスにおける親からの意見に関する正当性の有無の区分の基準

 現在、モンスターペアレレントが問題とされていますが、保護者から学校・教員に対する意見(要求・要望)がすべて問題である、また、不当である、としてしまうことはできません。保護者が子供のために真剣に考え、学校・教員に対して意見を出してくることも少なくないと思います。

 企業における消費者からのクレーム対応において、いわゆるクレーマーと言われる消費者からの要求もあるのですが、本当に、その企業の製品・サービスのファンであり、その製品・サービスをよくしてもらいたい、という気持ちから企業に対して、連絡をしてくる消費者も少なくないのです。学校・教員に対して要望を出してくる場合、自分の子供がその学校にいるわけですから、その学校によりよくなってもらいたい、という気持ちのある保護者も少なくないと思います。

したがって、保護者から学校・教員に対してなされる意見については、理不尽な要求と、正当・合理的な要望に分けて、適切な対応をしなければならないことになります。スクールコンプライアンスという視点から見ると、学校や教員に対して、意見を出す保護者をすべてモンスターペアレントであるとしてしまうことは避けなければなりません。

そこで、理不尽な要求と正当・合理的な要望を分ける基準は何であるかを考えておく必要があります。法律家の考え方では、感覚的・主観的に、理不尽な要求であるかどうかを決めることはありえません。まず、理不尽な要求であるか否かを判断する一般的な基準・ルールを設定して、それに当てはめて、理不尽な要求であるか、どうかを客観的に決めることになっています。

 理不尽な要求であるか否かを判断するための中心となる基準は、自分の子供のためだけでなく、他の子どものためにもなる意見であるかどうかです。学校における子供の最善の利益を考えて、その意見への対応が必要であり、かつ許容できるもの(実行可能であるもの)かどうかが基準となると考えられます。例えば、子供の習い事を優先させたいので、大事な学校行事を休ませてほしい、という意見については、通常は、理不尽な要求であると考えられ、他方、熱中症対策のためにスポーツドリンクの携行を許可してほしい、という意見については、学校の子供全体の利益を考えると、正当・合理的な要望と評価できると考えられます。

 保護者から学校・教員に対する意見(要求・要望)が出された場合、上で説明をした基準に基づき、学校関係者で適切に議論をすることが大切です。

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