学則・校則の法的問題

学則・校則の意味を考える

現在、守る理由がわからないような不合理な校則、また、児童・生徒の人格を傷つける合理性の乏しい校則である「ブラック校則」が問題とされています。頭髪や服装などについて一律に規定をするような校則について、人権保護的な視点や多様性の視点から、「ブラック校則」と呼ばれ問題視されているのです。「ブラック校則」の問題点を検討する前提として「校則」の意味を見てみます。また、「校則」と似ている言葉として「学則」いう用語がよく使われています。そこで、これらの用語の意味について見てみます。

まず、「学則」については、学校教育法施行規則にその規定があります。第3条で学校設置の認可申請・届出にあたって学則が必要とされ、第4条で、その必要的記載事項が1ないし9号まで記載されています。1号から9号の内容は、以下の通りです。

1 修業年限、学年、学期及び授業を行わない日(以下「休業日」という。)に関する事項

2 部科及び課程の組織に関する事項

3 教育課程及び授業日時数に関する事項

4 学習の評価及び課程修了の認定に関する事項

5 収容定員及び職員組織に関する事項

6 入学、退学、転学、休学及び卒業に関する事項

7 授業料、入学料その他の費用徴収に関する事項

8 賞罰に関する事項

9 寄宿舎に関する事項

そこで、これらの事項が規定されているルールが学則ということになります。これらの必要的記載事項は学校教育の制度的側面に関する事項であることから、学則とは、学校制度に関わるルールであるということができます。

次に、「校則」について見てみます。校則については、学校教育に関する法令に規定がありませんが、文部科学省で用いている意味は以下のようなものです。

まず、「校則」は「学校が教育目的を実現していく過程において、生徒が遵守すべき学習上、生活上の規律として定められ」、「生徒が健全な学校生活を行い、成長していくための行動指針として、各学校において定められている規律」であるとされ(2011年文部科学省『生徒指導提要』)、また、「校則とは、児童生徒が健全な学校生活を営み、より良く成長・発達していくために、各学校の責任と判断の下に定められる一定の決まり」とされています(『平成19年度 文部科学白書』[第2部第2章 初等中等教育の一層の充実のために])。

 そこで、次に、学則と校則の用語の関係について見てみます。学則は法令で定義がなされていますが、校則は法令での定義がありません。そこで、校則という用語は、上で記載をした文部科学省で使用されている意味ではない意味も持ちうるものです。

 まず、「広義の校則」は、学則と学則以外に学校・学校設置者が定める規則(内部規定)全般、すなわち、学校の運営管理に関する規則全般で、校内規則の総称です。そして、広義の校則から、法令で定められている学則を除いた部分、すなわち、学校・学校設置者が定める規則(内部規定)が「狭義の校則」ということになります。ここには、生徒指導内規、教務内規などを含めて、各校の学校経営の基本的な事項等が記載されています。

そして、最後に、狭義の校則の中で、生徒指導や生活指導に関して必要な内容が内部規定として定められていて、生徒手帳等に記載されている生徒心得・生徒規則と呼ばれるものがあります。これを「最狭義の校則」と呼ぶことができます。

参考文献

船越耿一「校則制定の根拠とその範囲」長崎大学教育学部社会科学論叢45巻(1993)46~47頁、51頁

岡本信弘=白石義郎「高等学校における校則と生徒指導内規の実際―A専門高校を事例として-」久留米大学文学部紀要情報社会学編第12号(2017)51~52頁

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